PROFILE 伊藤千晃
1987年1月10日生まれ。2017年にダンスボーカルユニットAAAを卒業し、2018年よりソロ活動を始動。アーティスト、モデル、タレントとして多方面で活躍し、美容・ファッションに関する豊富な知識で同世代の女性からの支持も高い。2023年3月には、日本フェムテック協会認定資格2級を取得。自らの経験より、フェムテックやオーガニックを通して、全ての女性たちが輝ける生き方について発信している。
BLACK FRIDAY SALE 20%OFF
STELLAR HOLLYWOODブランド創立10周年記念企画として、2022年よりスタートしたFOR YOUR LOVE ACTION PROJECT。プロジェクトの一貫として認定NPO法人カタリバをとおして、子どもたちの未来に寄付しました。プロジェクトの開始とともにスタートしたスペシャル対談も今回で3回目。3月8日の国際女性デーを記念し、いま日本でもだんだん認知されてきたフェムテックについて語っていただきました。
第3回目のゲストは、アーティスト、モデル、タレントとして多方面で活躍する伊藤千晃さんとmederi代表の坂梨亜里咲さん。STELLAR HOLLYWOODマーケティングディレクターのしげるさんとともに、女性が抱える健康についての悩みや、日本におけるフェムテックの現状にスポットを当てました。
しげる
坂梨さんは、女性ウェブメディアのディレクターや代表取締役を経て現在、フェムテック事業を運営され、活躍をされていますが、なぜフェムテックに注目されたのですか?
坂梨さん
実は私自身、不妊治療を始めて6年目です。時間もお金も費やしてきて、それでもまだ授かっていないので、こういう事実があると、多くの人たちに知ってもらいたいなと。「産みたい人が希望するときに産める社会にしたい」という想いから、起業しました。
しげる
なるほど、そうなんですね。千晃ちゃんはグループを卒業してからフェムテックに関心を寄せて勉強し始め、今では連載をしたり、登壇をしたりしてますが、キッカケは何だったの?
伊藤さん
フェムテックって言葉を知ったのは最近で、よくよく調べていくと月経の問題だったり、出産してからのケアだったり、自分に当てはまることが多すぎて…。これって知らなきゃいけないことだったんだと、気づかされました。産後、あまりにも自分の身体が変わってしまってびっくり。自分の身体に向き合いなさいっていう教育もそもそも学校ではなかったし。本当に出産前に知っていればケアができたなって。自分の身体のことがわかっていれば、腰痛も月経の痛みももっと減らせたなと実感しました。有難いことに私は発信できる立場にあるから、若い世代の子たちにそういうことを知ってもらいたいと思ったので、勉強しました。
しげる
フェムテックっていうのは、「フィメールテクノロジー」を指すのですよね。
坂梨さん
女性の健康の課題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことです。
しげる
生理の事とかPMSの事とか、今では声を上げる人も増えてきているけど、ちょっと前までは普段の会話やメディアでの話題もタブーみたいに思われていたよね?
伊藤さん
恥ずかしいことだとされていたし、大きく言うことじゃないって。
しげる
そうそう。それは日本の学校教育での『性教育』が他国と比べても遅れているってこともありますか?
坂梨さん
そうなんです、かなり遅れていますね。私はいまピルをオンライン診療で処方するサービスを提供していますが、ピルの服用率も海外ではもう40%以上の国もありますが、日本では10%以下と言われています。知るべき人に届いていないな、というのが事実です。千晃さんは、発信できる立場を生かしフェムテックを普及してくださる本当に貴重な存在です。
しげる
昔から女性アスリートたちは生理を試合の日と重ならないように調整をするとか、身をもって実践してきてますよね?彼女たちは、最近ご自身の経験を伝えるために声を上げてきてます。
伊藤さん
まだ20代の頃、アーティストの先輩がパフォーマンスに支障が出るからライブの日と重ならないように、ピルで生理の日をずらすっていうのを聞いたことがあって。その当時はまだピルイコール悪いもの、というイメージがあって。妊娠しないために使うものというだけの認識で。
しげる
うん、いまだにそう思っている人も多いと思う。
伊藤さん
さらに、自然にくるものを、無理に時期をずらすっていうのもどうなんだろって思ってたり。身体にも負担がかかるってイメージもあって。不信感とか恐怖っていうのが先にあったかな。
坂梨さん
今では生理ケアはもちろん、妊娠、出産のケアも、更年期のケアについてもさまざまな選択肢があります。女性はホルモンバランスの変動によってライフステージごとに身体に変化が起きます。いろいろな知識をもった上で、数々の選択肢から自分に合ったものを選んでもらったらいいですよね。
しげる
昨年だったかな?TVのニュースで生理用品が購入できない人達が日本にも結構いるっていう事実を知り、ショックを受けました。
坂梨さん
生理の貧困ですね。
しげる
でもどこかの国では生理用品を無償化している制度がきちんとあったり。国でもいいし、民間の企業でも、もうちょっとそういうことに積極的にアクションを起こしたほうがいいのかもって思います。
坂梨さん
子育てに対する制度はあっても、そこまでカバーしていないんですよね。そういう女性のケアに対する補助金ってないなぁって。
伊藤さん
ほんとにそれは絶対必要だと思います。産後、子供が生まれてしまうと、自分のケアをする暇はないんです。助産師さんに教えてもらうのも、子供のことばかりで。新生児の期間が落ち着いて気づいたときには、私の身体はもうボロボロだったんですよ。骨盤はずっと歪み続けていて、腰の痛みは治らず、抜け毛もひどくて。肌の色も変わってきてて、とにかくお母さんの身体はひどいことになってしまうんです。
坂梨さん
産後の抜け毛と骨盤の歪みについては、私もよく産後の友人から聞きます。
伊藤さん
お母さんが、自身の身体をケアすることは決して悪いことじゃないということを、もっと世の中に知ってほしいと思います。別に子育てを疎かにするわけではないので…。それを広げていけたらなって。
しげる
あとは逆に男性の理解も必要だし、社会の考え方を変えていかないとうまくバランスがとれないんじゃないかな
伊藤さん
我慢しなきゃいけないっていうのが、まだ根底にあるからかな。
しげる
働き方改革によって「女性活躍推進」がここ数年でやっと見直されてきた一方で、生理痛やPMS(月経前症候群)などによって労働力の低下での経済損失は、年間7000億円と耳にしました。女性の健康が、社会に大きく影響しているのも事実。
坂梨さん
経済産業省によるちゃんとしたデータが出ているんですよね。
伊藤さん
ね、かなりの額なんですよ。
しげる
そう。だから社会が、女性に対してその部分を大切にしていかなきゃと思います。
坂梨さん
女性特有の不調を仕方がないってあきらめるのではなくて、目を向けてほしいですね。あと男性と女性の違いって必ずあると思うんです。体力的な部分も含めて。その性差を受け入れて、お互いを大切にできたらいいですよね。「女性ってこういう身体だから、こうしてあげなきゃな」とか、「今日は優しくしてあげよう」とか男性にも理解してもらいたいなと。
伊藤さん
どうしたら、その理解が伝わるかなぁって思います。それが課題なのかなって。
坂梨さん
人それぞれに生理の痛みは違うし、不調の具合も変わる。女性同士でも自分以外のことは、あまりわからない場合もあるんです。
しげる
生理痛にも人それぞれの痛みや、他の不調もさまざまあるってことですよね。
坂梨さん
だからこそフェムテックには、細かいところのニーズにまで応えられる商品があったらいいなと、私は事業主ですが、思いますね。
しげる
日本の出生率が下がっているのも、そんな社会の中では出産をするのも不安だと思っている女性も増えているのではないかな。不妊治療も出産後ケアも、それについての保証金だけではなくて社会自体も、もっと理解を深めていかなくては、なんだと思います。
伊藤さん
そう、その通り。
しげる
ステラハリウッドはほとんど女性が顧客なのですが、フェムテックを通してその方々へ2人からメッセージをお願いします。
坂梨さん
ライフスタイルも人それぞれで、女性としての人生の正解って今の時代はないと思うんです。自分らしい道を納得して進むためにも、身体のリズムに目を向けて違和感を見過ごさずにいてほしいです。そして、不調を仕方ないと思わず、知識をキャッチアップしていっていただきたいです。
伊藤さん
毎日を楽しむためには、幸せに過ごすためにはまず身体が元気じゃないと!って。それすらエネルギーがかかることだから。でもエンターテイメントを通してみんなに楽しんでもらうのは、ものすごく自分にパワーが必要だと感じます。自分の身体が不調だと、そのエネルギーも誰かに渡せないって思って。フェムテックに出会って、いろいろな選択肢が増えることによって、かなり体調がよく過ごせています。その結果、幸せの幅が広がったんです。自分の知識がないことって、いかに不幸なことだったのか、とも。知識が増えることで幸せの幅、楽しさの幅が広がったことは、紛れもなく事実だと思うので、多くの人たちにまず知ってもらって興味をもってもらえたらいいなと。それを幸せや楽しさにつなげていってほしいと思います。
しげる
国際女性デーをキッカケに『フェムテック』を通して、ご自身を愛してあげて、ご自身のカラダを大切にして欲しいですよね。
坂梨さん
はい、自分は健康だって過信してしまうかもですけど、見えないところで何かが起きている可能性も。きちんと定期的に健康診断を受けて、自分の身体をしっかりと知って大切にすることだと思います。
1987年1月10日生まれ。2017年にダンスボーカルユニットAAAを卒業し、2018年よりソロ活動を始動。アーティスト、モデル、タレントとして多方面で活躍し、美容・ファッションに関する豊富な知識で同世代の女性からの支持も高い。2023年3月には、日本フェムテック協会認定資格2級を取得。自らの経験より、フェムテックやオーガニックを通して、全ての女性たちが輝ける生き方について発信している。
明治大学卒業後、大手ファッション通販サイト及びECコンサルティング会社にてマーケティング及びECオペレーションを担当。2014年より女性向けwebメディアのディレクター、COOを経て、子会社社長に就任。2019年にmederi株式会社を設立し、2020年3月より自らの3年に渡る不妊治療経験から気づきを得たサービスをスタート。オンラインピル診療サービス「メデリピル(mederi Pill)」、妊活サポートプロダクト「メデリベイビー(mederi Baby)」を展開。2021年より実業家・前澤友作氏が設立した前澤ファンドの「13の事業」に採択。
STELLAR HOLLYWOODでは、
次の10年を担う子どもたちの未来に向けてのプロジェクト
「FOR YOUR LOVE ACTION PROJECT」の一貫として
LOVE CODE DIAMOND BRACELETを発売いたしました。
その収益の一部をHERTiNを通じ、
認定NPO法人カタリバに寄付し
子どもたちが意欲と創造性を育む事業に使われます。